のーべる文学賞
ノーベル文学賞、カズオイシグロさんがとりました。
カズオイシグロさんの「わたしを離さないで」と「日の名残り」は読んだことあります。
特に「わたしを離さないで」は、とても心に残る話でした。
出自の特殊さからの孤独と、同じ境遇で育ったものたちの強くて切ない結びつき。
なにかの目的のために生きることが最初から決まっていた人生って、どんなもんだろう。
イギリスの忘れられたような荒野にぽつんと存在するコミューン。カズオイシグロさんの小説は、イギリスの風景でないと成り立たない空気があって、本当に日本で幼少期を少しでも過ごしたことがあるんだろうかと不思議になります。
装画描きたい本、ナンバーワンですなあ・・・。でも、あの本の装画・・・難しいなあ。
ちょっと信じられないような寡作さ(今までの長編・短編小説合わせて20作ないです)だけど、どうやって生計をたててんのか、気になりますなあ・・・。
村上春樹が受賞するか、というのが毎回祭りになってるけど、なんかもういいんじゃないかと思う。
村上春樹さんは私が10代のころから読んで、好きだし色々支えられた作家なので、悪いことはいいたくないけど、やっぱりノーベル賞とるには商業的に成功しすぎてるんじゃないかと。あと、村上文学のコアな部分が人によって解釈が色々出来すぎる気がするので、なんかこう難しいんじゃないかと。
村上文学は、読むと色々と深読みとか考えたくなる不思議な文章で、そういう意味では「この世界にはいって、深いところまで下りて色々と考えてくださいね。でもそこになにがあるかはあなた自身によりますよ。私はそんなのに意味づけなんてしないですよ。これはあくまで入れ物で意味なんてないんだから」
と、意味づけを回避しちゃってる感じがあるので、やっぱり賞・・・というかんじではないんだろうなあ。
でもそういう「商業的にも通用する入れ物的文学」を発明した、というではやっぱり画期的なんじゃないかと思うんだけど。
でも、すきです。商業的に大成功でブームになりすぎてるので、村上春樹好きというと俗物みたいだけど、でも大好きです。